CLIENT:芸文堂
SIZE:B6判・並製本 308ページ


今回ご縁があってカバーの絵を描かせて頂くことになり、私はいち早く小説を読ませてもらうことが出来ました。本の詳しい内容等は割愛しますが、私にとって印象的なシーンがありました。それは隆信が川内峠を訪れるシーンです。そのシーンは2度あり、1度目は隆信が当主になったばかりの頃に重臣と訪れた時、2度目は鎮信に当主を譲った直後に親子で訪れた時です。今回の表紙カバーは2度目に訪れた時の場面を描きました。南の地平線を見据える若き当主を後ろで見守る父であり先代当主でもある隆信。この2人の後ろ姿はまさにこの小説を象徴するものだと思い、現地に行き描かせてもらいました。
とにかく肥前の戦国史が好きな私にとってはまさに欲しかった一冊です。小説ですが、史実をもとに描かれており、もちろん争乱の世を生きた親子の苦悩と人間模様が第一の魅力ですが、読むことで肥前の戦国史を分かりやすく知ることも出来ます。西の端の外様といえど、その歴史はスケールが大きく、ダイナミックなもので、いつの日か小説を元にした映画やドラマを目にする日が来るかもしれません。
この度、「西海の覇王」が佐世保文学賞を受賞され、その祝賀会にお招き頂いたときに交わした和田さんとの会話の中で、次回作の案を少し聞かせてもらいました。和田さんの頭の中ではまだまだ書きたいものが溢れ出ているようで、次回作にも大いに期待したいと思います。